2018年3月10日土曜日

百人一首1

修辞には目を瞑りつつ,百人一首を口訳してみた

以下,㊱&太字は三十六歌仙,⑥は六歌仙


序歌.王仁博士
 古代の渡来人
難波津に咲くやこの花冬ごもり 今を春べと咲くやこの花
難波津に咲くよこの花 冬ごもり、今を春べと咲くよこの花


万葉の時代

口で詠み,耳で聞く時代.次に来る言葉をイメージしやすいように,序言葉や枕詞が使われ出した.

1.天智天皇
 626~671;飛鳥.大化の改新を実現
秋の田の仮庵の庵の苫をあらみ 我が衣手は露にぬれつつ
秋の田の仮の庵の苫は粗くて 我が衣手は露に濡れつつ

2.持統天皇
 645~702;飛鳥.#1天智天皇の皇女
春すぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山
春過ぎて夏来たらしい 白布の衣干すって言う天の香具山

3.柿本人麻呂
 700頃?;飛鳥.㊱
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む
<あしびきの 山鳥の尾の垂れる尾の> 長々しい夜を独りでか寝る

4.山部赤人
 ~736?;奈良.㊱
田子の浦にうち出でてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
田子の浦に出掛けて見れば 白布の富士の高嶺に雪は降りつつ

5.猿丸太夫
 8c後半;奈良.㊱
奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋はかなしき(口訳不要)

6.中納言家持
 718?~785;奈良.㊱
かささぎの渡せる橋におく霜の 白きをみれば夜ぞふけにける
カササギが渡した橋の霜のよう 星々を見てふと夜ふけを知る

7.阿倍仲麻呂
 698~770;奈良.遣唐使
天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも
天の原 遠くを見れば 春日野の三笠の山に出ていた月かも


平安初期

文字として平仮名が使われ出し,掛詞が使われ出した.

8.喜撰法師
 9c後半.⑥
わが庵は都のたつみしかぞすむ 世をうぢ山と人はいふなり
我が家は都の東南 鹿が住む 世をうじ山と人は言うのだ

9.小野小町
 9c後半.#11小野篁の娘か?㊱⑥
花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに
花の色は褪せてしまったな、徒に 共に時経る、眺める間に

10.蝉丸
 9c後半?
これやこの行くも帰も別れては 知るも知らぬも逢坂の関
これがあの 往来するも 集散も 知人他人も 逢坂の関

11.参議篁(小野篁)
 802~852.学者.漢学に詳しい.
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣り舟
大海原 島々目指し漕ぎ出たと人には告げよ 海人の釣り舟 

12.僧正遍昭
 816~890.#21素性法師の父.㊱
天つ風雲の通ひ路吹き閉ぢよ をとめの姿しばしとどめむ
天の風、雲の通い路吹き閉じよ 天女の姿しばし留めよう

13.陽成院(陽成上皇)
 868~949
筑波嶺の峰より落つる男女川 恋ぞつもりて淵となりぬる
筑波山頂から落ちる男女川 恋が積もって淵となったよ

14.河原左大臣(源融)
 822~895
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに
陸奥のしのぶもぢ摺り、誰のせい 乱れ始めた我ではないが

15.光孝天皇
 830~887
君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ
君のため春の野に出かけ若菜摘む 我が衣手に雪は降りつつ

16.中納言行平(在原行平)
 818~893.#17業平の義兄
たち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む
いざ別れ いなばの山に生える松 待つと聞いたらすぐに帰ろう

17.在原業平朝臣(在原業平)
 825~880.伊勢物語のモチーフ.㊱⑥
ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
<ちはやぶる>神も知らない 竜田川 深紅色に水染めるとは

18.藤原敏行朝臣(藤原敏行)
 ~907?.㊱
住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人めよくらむ
住の江の岸に寄る波 夜でさえ夢の中さえ人目避けるの

19.伊勢
 877?~938?.伊勢守藤原継蔭の娘.奈良出身.㊱
難波潟みじかき芦のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
難波潟 短い芦の節間ほども 逢わずこの世を過ぎてしまえと?

20.元良親王
 890~943.#13陽成上皇の子
わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ
悩んだって今また同じ 難波にて身を尽くしても逢おうと思う

21.素性法師
 ~910?;平安.#12僧正遍昭の子.㊱
今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな
今来ると言ったばかりに 長月の有明の月出たところで待つ

22.文屋康秀
 ~885?.#37文屋朝康の父.⑥
吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐といふらむ
吹くそばから秋の草木が萎れるので山風を嵐と言うのだ

23.大江千里
 900頃?.#17業平の甥.学者
月みればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど
月見ればあらゆることが悲しいよ 我が身一つの秋ではないけど

24.菅家(菅原道真)
 845~903.天神様
このたびはぬさもとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに
この度は幣も持たず手向山 紅葉の錦 神の気ままに

25.三条右大臣(藤原定方)
 873~932
名にしおはば逢坂山のさねかづら 人にしられでくるよしもがな
名のるなら、逢坂山のサネカズラ 人に知られず来る術ほしいな

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'18 4/1 時代区分を追記

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